きゅうり ~夏の熱中対策にも効果的な野菜。炒め物やスープに入れても美味~

きゅうり ~夏の熱中対策にも効果的な野菜。炒め物やスープに入れても美味~


産地・生産

96%が水分で成り立っているきゅうりは、紀元前4000年前から、メソポタミアで栽培されていた野菜で、暑い時期の健康維持や水分補給に重宝されていました。

現在、きゅうりの生産量が多い県は、群馬県、埼玉県、福島県、宮城県、千葉県です。生育適温は18度から25度と、気温が高いほうがよく育ちます。

きゅうりは、改良品種が進んでおり、世界中で500種類もの品種があるといわれていますが、大きく大別すると2つに分かれます。

まず、「白イボ系」と呼ばれる皮が薄くて、歯切れのよいタイプのきゅうり。現在、栽培されているきゅうりの9割近くがこの「白イボ系」で、店頭で見かける多くがこのきゅうりです。

そして、もう1つが、「黒イボ系」と呼ばれるもので、表面のイボが黒っぽく、皮が厚く果肉がみっちりとしており、粘着質な感じがするのが特徴です。現在では、九州や四国、山形などで作られています。

「黒イボ系」は低温に強く、春に収穫する早生種でした。時代の流れとともに漬物に向く「黒イボ系」より、そのままで食べられる「白イボ系」のほうが、主に生産されるようになりました。


種類

「白イボ系」のきゅうりは品種改良が進んでいるため、路地栽培から温室栽培のものまで、全国で作られており、年間を通して流通しています。

地域によって多くの品種があります。代表的な品種は、病気に強い「夏すずみ」、長期にわたり、安定して栽培が可能な「夏ばやし」、病気に強く家庭で作るのにも向いている「つや太郎」、ウイルスに強い「Vアーチ」などがあります。

一方、「黒イボ系」のきゅうりは、石川県でよく作られている昔ながらの品種の「加賀節成りきゅうり」、肉詰めや煮物に向く「加賀太きゅうり」、京都の「聖護院節成りきゅうり」、漬物に向く「四川きゅうり」や「四葉きゅうり」などがあります。


ハウス栽培が盛んに行われるきゅうりは、いつでも店頭で購入できますが、本来は夏が旬の野菜です。6月から9月にかけて出回るきゅうりは露地栽培されており、ハウス栽培のものと比べて栄養価も高く、味も美味しくなります。暑い時期に出回るきゅうりは、食欲が衰えがちなこの季節において、喉ごしもよく食べやすい食材です。


買うときのポイント・選び方

新鮮なきゅうりは、イボがチクチクとするくらい硬くしっかりしています。また、両端も硬くしまりがあり、全体的に太さが均一なもののほうが、味がいいようです。また、曲がっていてもあまり味に影響はなく、むしろ安く売っていることもあり、新鮮であればお得なきゅうりといえます。


保存方法・下処理

きゅうりは冷やしすぎると、実が痛みやすいので、ラップや袋に入れ、新聞紙で包んでから冷蔵庫の野菜室に立てた状態で入れるといいでしょう。

あえ物などに使う場合は、冷凍保存も可能です。スライスしたきゅうりを軽く塩もみしたあと、水気を切り、小分けして冷凍します。使うときは自然解凍で。

きゅうりは、頭とお尻の部分に苦みが含まれているので、調理するときは端から1センチくらいのところを両方カットします。また、塩を置いたまな板の上で、手で押さえながら転がすのは、きゅうりの青臭さを取り、色を鮮やかに保つ効果があります。

また、きゅうりの表面に付いている白い粉のようなものは「ブルーム」というもので、きゅうりが環境から自身を守るために分泌する自然の成分です。そのまま食べても害はないのですが、品種改良によりこの「ブルーム」がないものが販売されています。しかし、「ブルーム」のあるきゅうりは、歯ごたえもよくきゅうり本来の美味しさが残っているため、「ブルーム」の付いているきゅうりを購入する人が多くなっているようです。


注目すべき栄養

カリウム シトルリン ビタミンE ビタミンC


江戸庶民の味「きゅうり」も、武家社会ではご法度に

日本では、平安時代から栽培の記録があり、「胡瓜」「黄瓜」と呼ばれていました。名称に「胡」が付くのは、シルクロードを渡ってきたことの意味。

しかし、江戸時代までは、完熟させてから食べていたようで、苦みが強くあまり人気のある野菜ではなかったようです。

その後、もともときゅうりの産地だった東京都江東区あたりで、きゅうりの品質改良が行われ、食べやすいものへと変わりました。

成長がよく収穫が比較的楽で、歯ごたえのよいきゅうりは、庶民の食卓を潤す一方、武家社会では、その切り口が葵のご紋に似ていることから食べることを自粛していたといいます。


この食材を使ったレシピ


※このページに掲載している情報は、2018年5月9日時点のものです。
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参考文献

「暮らしのならわし十二か月」 白井明大、有賀一広(飛鳥新社)、「女性のための漢方生活レッスン」 薬日本堂 監修(主婦の友社)、「子どもといっしょが楽しい おうち歳時記 にっぽんの四季の行事12カ月」 季節の遊びを楽しむ会 (メイツ出版)、「東洋医学式 カラダとココロの整え方:一年中薬に頼らず暮らせる 季節にあわせた養生のすすめ」 鈴木知世 (河出書房新社)、「「和」の行事えほん〈1〉春と夏の巻」 高野紀子(あすなろ書房)、「二十四節気と七十二候の季節手帖」 山下景子 (成美堂出版)、「潮干狩りの疑問77」 原田 知篤(成山堂書店)

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